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セトリー医療・看護(ハンセン病)グループ 主催イベント 実施報告

投稿者: oku01 投稿日:

12月10日(日)に「邑久高校で人権について考えよう~映画と詩の朗読で知るハンセン病~」を開催しました。宮﨑賢監督作「NAGASHIMA~“かくり”の証言」の上映と、邑久高校セトリー医療・看護(ハンセン病)グループによる、長島愛生園入所者の方が子どものころに作った詩の朗読を行いました。

宮﨑賢監督・中村恵美さん・平井聡さん ご挨拶

「NAGASHIMA~“かくり”の証言」上映

「NAGASHIMA~“かくり”の証言」は、元ハンセン病患者の方々が受けてきた差別の凄惨な実情が主として描かれています。ただ、長島内で隆盛した文芸活動や、「人間回復の橋」邑久長島大橋の架橋、裁判勝訴など、つらい状況の中でも望みを持って人間らしく生きた入所者の方々の姿も描かれていました。映画の中で何度も登場する、長島に咲く美しい花のように、最後には希望を見いだすことのできる素晴らしい映画でした。

 

長島愛生園入所者の方が子どものころに作った詩の朗読

「自分たちと同年代のときに作られた詩を読むほうが、想いを伝えやすいのでは」と考え、詩を選定しました。空気感を作るのに苦心しましたが、最終的には非常によい舞台になったと思います。本番では皆とても緊張していましたが、入所者の方の想いを十二分に伝えるため、心を込めて朗読しました。記入いただいたアンケートには好意的な感想が多く、イベント直後にもたくさんのお褒めの言葉を賜りました。

 

〇いただいた感想(抜粋)

・私はハンセン病についてあまり詳しくなかったのですが、映画を見たりして、患者の人の生活や思いがわかりました。差別や偏見に苦しんでいても、強く生きていた姿がすごいと思いました。

・愛生園入所者の生の声を、40年にわたり記録し、人間解放の道筋を描いたドキュメント映画に感動しました。

・「悲しいことばかりではなく、希望もいっぱいあった。今が一番幸せ!」とおっしゃっていた男性の言葉に、少しだけ心が救われました。

・映画を見たくて参加しましたが、詩の朗読が思った以上に心に刺さりました。来てよかったです。ありがとうございました。

・風化させてはならないことであり、戦争の語り部と同じように、今回の朗読をしてくださった皆様が、今後も全国各地で語り継いでいっていただきたいと思います。自由と希望、誰もが人権侵害されることのない世の中になって欲しいと願うイベントでした。企画してくださり、ありがとうございました。これからのセトリーのご活躍に期待しています。

 

「発信」をテーマに企画したイベントでしたが、多くの方の心に響くものとなり、生徒たちは、またとない貴重な経験をさせていただきました。ご来場・ご協力いただいた皆様、本当にありがとうございました。

「NAGASHIMA~“かくり”の証言」を製作された宮﨑監督が、今回のイベントのドキュメントを作製してくださいました。生徒たちの朗読も収録してくださっています。こちらからご覧いただけます。