2年次の現代文Bの授業では、現在、ことわざや慣用句の誤用に関する文章を読んでいます。ことわざや慣用句は、日常会話にもよく使われる一般常識の範疇に含まれるものですが、現代にはなじみのない言葉も多く、生徒も覚えにくいことも多いようです。
そこで、教科書に出てきたことわざを中心に、「ことわざを体験しよう!」という授業を行いました。国語科の授業では珍しい「実験」をすると聞いて、生徒も楽しみな様子です。
1 ことわざを体験しよう!
① 濡れ手で粟
最初に、乾いた手で、さらさらした粟の感触を確認した後、濡れた手で粟を触ると、ぺたぺたと手にくっつきます。
この様子から、「苦労しないで簡単に利益を得ることのたとえ。」という意味のことわざになりました。
② ぬかにくぎ
ぬかに、くぎを突き刺してみて、感触を確認します。全く手応えなく、ふにゃふにゃとして、すぐに倒れてしまいます。
この様子から、「手応えなく効き目のないことのたとえ。」として使われるようになりました。
③ 豆腐にかすがい
「かすがい」がどんなものかを確認した後、2つの豆腐にかすがいを刺してみました。手で動かすと、豆腐に切れ目が入って、ぐらぐらと動き、全く固定されません。
このことから、「意見しても、少しの手応えもなく、効き目もないことのたとえ。」として使われます。
④ のれんに腕押し
「腕押し」というのは、力で押して手応えのあるものですが、風に揺れる「のれん」に腕押しをしても、全く手応えを感じません。
そこから、「相手に対するとき、力を入れても手応えがなく、張り合いのないことのたとえ。」として使われます。
②③④は同じような意味のことわざですね。
「粟」「ぬか」「豆腐」「のれん」は日本人の生活の中でとても身近なものだったので、ことわざに使われて今に残っています。実際に体験してみることで、ことわざの意味がよくわかり、実感できて強く印象に残すことが出来ました。
このことをきっかけに、ことわざや慣用句に興味を持って、調べたり覚えたりして、豊かな言語生活を送ってもらえたらと思います。
授業の後半は、文化庁が配信している動画「ことば食堂へようこそ(文化庁ホームページヘのリンク)」を視聴して、まちがいやすいことわざや慣用句の意味を確認しました。
次の言葉の意味はどちらでしょうか、ぜひ動画を見て確認してみてください。
①「役不足」の意味は?
ア 本人の力量に対して役目が重すぎること
イ 本人の力量に対して役目が軽すぎること
②「煮え湯を飲まされる」の意味は?
ア 敵からひどい目に遭わされる
イ 信頼していた者から裏切られる
③「敷居が高い」の意味は?
ア 高級過ぎたり,上品過ぎたりして,入りにくい
イ 相手に不義理などをしてしまい,行きにくい